第一章

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職員室から保健室までの距離はほとんどなく何事も無く無事に着くことが出来た。 俺は、慎重に少しだけ保健室の扉を開け中を覗き込んだ。 まず初めに目に飛び込んできたのは、窓に着いている大量の血と床に上半身裸の血だらけの少年だった。 少年の胸には刃物で何度も刺された傷跡があった。 その様子はあまりにもひどかった。                          しかし俺はさっきと同様、死体を見ても何も感じなかった。 「どうだ龍司?誰もいないか?」 「少し待っててくれ」 俺はそう言うと保健室の中に入って扉を閉めた。 保健室の中は、ベッドが2つ、机、棚にはたくさんの薬、そのへんの学校と何ら変わりのない普通の保健室だった。 俺はまず、ベッドに行き掛け布団を手に取り、死体である少年に近づき見えないようにするため掛け布団を掛けた。
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