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「お前たちが噂の魔物使いか」
食堂に現れた老体の隊長が、オレ達に声をかけた。
なーんか、探られてるなぁ…
「どうした、違うのか?それとも答えることが出来ない理由があるのか?」
返事が少し遅れただけでこれかい。
「別にそういう訳じゃ無いですけど…!」
ムッとしてしまい、語尾が強くなる。
「ふん、その言い方は図星だと認識されてもおかしくないぞ」
眼光鋭く此方を睨む隊長さん。
ロブスって言ったな。
…冷静に対処しないと、ありもしない罪を着せられそうだ。
「ふぅ…既にキースさん達から聞き及んでいると思いますが?」
「それが、虚実の情報かも知れんだろう?」
オレの嫌味に鋭い反し刃が来る。
いやはや…と、オレはキースさんを一瞥する。
「一人の兵士を出て行かせたのに、キースさんだけ残したのは、ある程度の信頼をキースさんに置いているんでしょう?」
「そのキースさんから得た情報を全否定する訳無いじゃ無いですか」
オレは笑みを浮かべて目の前に座るロブスさんを見詰めた。
「ふん、バカではないようだな」
目を細めたロブスさんは、キースさんに目配せする。
すると、溜め息を吐き出したキースさんがロブスさんの代わりに話し掛けてきた。
「正味な話し、俺達は君達の話をそのまま鵜呑み出来ると思っていない」
ロブスさんとは違い、少し申し訳無さそうな眼で此方を見る。
「もっと詳しく、質問をさせてほしい」
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