英雄の街 ステッドマン

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「こいつを見てくれ」 …うほっ。 じゃない。どうやらこの付近の地図だ。 地図にはステッドマンとおぼしき物と、もう一つ。 「ドライニア…さっき言ってたきな臭い動きをしてるっていう国ですか」 「そ。そんで君たちはもしかしたらドライニアの隠者じゃないかって軍のお偉いさん方は思ってる」 いやいや、オレたちがワンダーフォレストから出てきたのあなた見てたんじゃ無いんですか。 「もちろん俺は違うと思ってるんだけど、ぺーぺーの俺の言葉何かお偉いさん方は聞く耳無しさ」 何処の世界でも、国の上層部が頭硬いのは一緒何だろうか。 「で、ドライニアの使者じゃ無いなら、ドライニアに忍び込んで何をしようとしてるか調べさせるらしい」 はぁ? 「意味が分からないです。素性が知れなく、しかもドライニアの使者かもしれない男をドライニアに送り込んで、しかも機密を盗んで来いとか」 「それでもしオレが機密を盗んで来たとして、それが本物かも分からないし、本物だったとしたら普通、それこそドライニアの使者だったって思われるんじゃ無いんですか?」 オレの言葉を聞いたキースさんは、溜め息をついた。 「そう。君の言う通り」 そして頭を掻いて続ける。 「軍の上層部は、何がどうであれ君たちをドライニアの使者と決定して、ドライニアに攻め込む口実を得ようとしている」
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