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「成る程。よくある話しですね」
「すまない…だが、俺がそうさせない」
…はぁ?
俺がって言っても、キースさんは門兵だ。
いくらロブスさんからの信頼があっても、そこまで権限が有るとは思えない。
「非公式ではあるが、俺はエッジ隊の隊長だ」
「はぁ…は!?」
予想外の言葉につい聞き返してしまった。
「軍にも色々と事情があってね、保守派と革命派に別れていて小競り合いも起きている」
そんなこと、オレに教えていいのか?
「さっきも言った通り、俺は君達を信頼に値する人物だと思っている」
また、偉く評価されたな。
「とにかく、保守派の連中の好きにはさせない」
キースさんはそう言うと、鉄格子の鍵を開けた。
「君がドライニアに行く際、俺が同行する。そうすれば流石に君たちを無理矢理隠者に下手あげる事は出来ない」
扉が開いたのを確認したオービィは、のっそりと立ち上がりオレを見詰める。
「はいはい、分かりましたよ。オレもジッと死ぬのを待てるほど大人じゃ無いんでね」
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