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牢屋から出て、オレとオービィはキースさんに連れられて、ロブスさんの自室に向かった。
「キースです」
「入れ」
キースさんがノックして、声をかけると、短い返事が返ってきた。
「貴様の装備だ」
ぶっきらぼうにそう言われて、ロブスさんが指差す方向を見ると、祢々斬丸、正宗に加えてラブの指環が有った。
「ドライニアの情報は全く入っていない。絶対に危険が起こると断言して良い」
ロブスさんに睨み付ける様に顔を見詰められ、少し戸惑う。
「しかし、貴様の処遇の為には、この「任務」をこなして貰わなければならん」
オレは黙って話を聞く。
「貴様がドライニアに行っている間、小娘の身の安全は保証しよう」
…リーナが無事なら、何の心配も無いな。
その後、オレは武器を装備しなおし、ラブの指環を右の人差し指に嵌める。
「馬はどうする?」
「ゲイルに乗って行きたいんだけですけど…生きてます?」
「了解だ」
どうやらゲイルも無事の様だ。
キィン…
「いつっ…!」
突然、頭痛が走った。
『セージ、セージ…!』
これは…リーナ?
『そう…大丈夫、セージ?ケガ、してない?』
『あ、あぁ…大丈夫だけど、どうやって?』
『…これが、ラブの石の力…』
そう言えば、ギルドのマスターが言ってたな。
これは便利だ。
『リーナ、オレは少し出掛けて来る。大人しく、待っててくれ』
『………セージ、ちゃんと帰ってくる?』
『当たり前だ』
フラグを立てないでくれ。
『…………分かった』
そこで、リーナの声は聞こえなくなった。
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