1075人が本棚に入れています
本棚に追加
「準備は良いかい?」
隣で葦毛の馬に跨がるキースさんが、オレに訪ねる。
「えぇ、何時でも」
オレもゲイルに跨がり、返事する。
「まぁ、この町に来たときの君の乗馬を見る限り、心配することは無いと思うけどね」
じゃあ、わざわざ聞かないで下さい。
「そんなことより、君は何歳だい?」
「はぁ…23ですけど」
なんだいきなり。
「そうかそうか!!いやね、君ってずっと呼んでたけど、もし歳上だったらどうしようと思ってたんだよ」
な、なんだこの人…
最初に見た時とキャラが違うくないか?
「俺が3つ歳上って事も分かったし、君って呼ぶのも不便だし。セージって呼んでも良いかい?」
「えぇ、構いません」
…一気に優位に立たれた気がするが、これは狙ってたのか、計算なのか。
まぁ、別にどうでもいいか。
「オンッ!」
オレ達の会話が長かったのか、欠伸をしたオービィがオレに向かって吠えた。
「あぁ、悪いな。リーナも待たせてるし、さっさと用事を済ませよう」
「じゃ、俺が先導するから後をしっかり着いてきてくれ」
キースさんはそう言うと、葦毛の馬の横腹を蹴って草原を駆けていく。
「じゃ、オレ達も行くとしますか」
オレがゲイルの首を軽く叩くと、ゲイルは一つ嘶き、駆け出した。
「ヒヒィーン!」
「ガウ!」
……これは多分、ゲイルがオービィに喧嘩うったな。
案の定、ゲイルとオービィが張り合って、途中でキースさんを追い抜いてしまい、キースさんと葦毛の馬が目を丸くしたのは言うまでもない。
最初のコメントを投稿しよう!