英雄の街 ステッドマン

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「準備は良いかい?」 隣で葦毛の馬に跨がるキースさんが、オレに訪ねる。 「えぇ、何時でも」 オレもゲイルに跨がり、返事する。 「まぁ、この町に来たときの君の乗馬を見る限り、心配することは無いと思うけどね」 じゃあ、わざわざ聞かないで下さい。 「そんなことより、君は何歳だい?」 「はぁ…23ですけど」 なんだいきなり。 「そうかそうか!!いやね、君ってずっと呼んでたけど、もし歳上だったらどうしようと思ってたんだよ」 な、なんだこの人… 最初に見た時とキャラが違うくないか? 「俺が3つ歳上って事も分かったし、君って呼ぶのも不便だし。セージって呼んでも良いかい?」 「えぇ、構いません」 …一気に優位に立たれた気がするが、これは狙ってたのか、計算なのか。 まぁ、別にどうでもいいか。 「オンッ!」 オレ達の会話が長かったのか、欠伸をしたオービィがオレに向かって吠えた。 「あぁ、悪いな。リーナも待たせてるし、さっさと用事を済ませよう」 「じゃ、俺が先導するから後をしっかり着いてきてくれ」 キースさんはそう言うと、葦毛の馬の横腹を蹴って草原を駆けていく。 「じゃ、オレ達も行くとしますか」 オレがゲイルの首を軽く叩くと、ゲイルは一つ嘶き、駆け出した。 「ヒヒィーン!」 「ガウ!」 ……これは多分、ゲイルがオービィに喧嘩うったな。 案の定、ゲイルとオービィが張り合って、途中でキースさんを追い抜いてしまい、キースさんと葦毛の馬が目を丸くしたのは言うまでもない。
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