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「はー、大きな要塞ですね」
「でしょ?あれがドライニアさ。ついこの前まではあんな分厚い壁なんて無かったんだけどね」
キースさんが説明してくれているが、残念ながら全然頭に入ってこない。
今、オレ達は大体1キロ程離れた丘の上からドライニアを見ているのだが、これだけはっきりと見てとれるんだからドライニアが相当大きなことが分かる。
あれだ。凶戦士ってマンガに出てくるドルドレイ要塞みたいだ。
ドラゴン殺しカッコいいよね。
「で、問題はどうやって内部に入るか何だけど」
「あの要塞って入り口有るんですか?」
ここから見る限りじゃ、城門は見当たらない。
反対の側面には有るかもだけど。
「無いよ」
「は?」
「今のドライニアには中に入る場所は無い、中の国民は完全に外界と隔離された状況。国の兵士やらお偉いさんは飼い慣らしているドラゴンに乗って、空から出入りしている」
マジかよ。
…あぁ、だからか。
「ドライニアの連中は魔物を飼い慣らす事が出来る。だからオレ達にも密偵の疑惑が掛かったって事ですね」
「そういうこと」
はぁ。とんだ勘違いだ。
「別にオレはコイツらを飼ってるつもりは無いですよ。半分は勝手に着いてきたみたいなもんですし」
その言葉を聞いて、キースさんは笑った。
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