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「これが、基地ねぇ…」
目の前にある掘っ建て小屋が、ネイトの言う基地のようだ。
少し唖然としてしまい、ネイトの顔を見る。
「な、なによ!」
額に汗を垂らしたネイトが、文句でもあるのかとオレに怒鳴る。
「いや、別に…」
「しょうがないじゃない!唯一城からの監視が届かずに、移動出来る通気孔が近くにあるのが此処だけ何だから!」
知らんがな。
「まぁまぁ、とにかく中で話をしよう」
ネイトを落ち着かせて、キースさんは掘っ建て小屋の扉を開けた。
蝶番の軋む音がして、扉がひらくと中には粗末な机が1つと、木で出来たボロい椅子が7つ置いてあった。
「他に人は居ないのか?」
扉を開けたまま中の様子を伺うキースさん。
「え?キースを迎えに行く前には各地区の代表が居た筈だよ?」
…おいおい。
「ネイト、もしかしてお前裏切られたんじゃ無いのか?」
抱いた疑問をネイトにする。
嫌な予感しかしないんだが。
「そ、そんなこと無いわよ!」
オレとネイトがそんな話をしていると、キースさんは掘っ建て小屋の中に入って行く。
「ちょ、キース!待ちなさい!」
それに気付いたネイトも、後を追う。
「はぁ…前途多難だな」
「ワフゥ」
1人と1匹で外に突っ立っているのも何なので、オレ達も中に入った。
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