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「あぢぃ!」
刀身が赤く染まった正宗に斬られた斧の柄は、切り口から炎が侵食して行く。
大男は熱さに耐えきれずに柄すらも手放した。
「掌劇!跂劇(きげき)!穿劇(はくげき)!旋蹴楽・月!」
此方の攻撃を防ぐものが無くなった大男の懐に潜り込んで、一気に畳み掛ける。
まず右掌底を相手の鳩尾に打ち込む。一瞬だけ痛そうな素振りを見せた所に、大きな右太股に左膝蹴りを入れる。
この膝蹴りで、俗に言う股カツ(スポーツしてる人は分かると思うが)と言われる、軽度の肉離れを引き起こし大男は苦悶の表徐を浮かべる。
そのまま顔に手のひらを打ち付けると、大男は目に涙を蓄えて仰け反る。
最後の仕上げに、剥き出しの顎目掛けてサマーソルトキック。
大きな体が数センチ宙に浮くと、そのまま地面に倒れ込んだ。
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