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世界は────現実は理不尽だ。婆様が実はその昔は最強であり最凶である鬼神とうたわれた緋神黒無姫(ヒカミクロナヒメ)だったという新事実もそうだが──どうにもオレは、死んでしまったらしい……。
らしいというのは婆様から聞いた話によるとこのボロボロになっている──というかオレがボロボロにしたこの爺さんは世界を管理する神様でその神様である爺さんが盛大なクシャミをした際に起きた雷がオレがいた所に落ちたという事だそうだ。……思い出したらまたイライラして来た。
「ヒィッ!スミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセンスミマセン…………」
爺さんが急に土下座してオレに謝りだしたけど何でだ?
「止めんかっ!(ペシッ!」
「イテッ!」
婆様にはたかれてしまった……
「まったく……晴香よ、話が進まんではないか。ヌシはシャンとせんかっ!」
「ハ、ハイィィ!」
爺さんが立ったところでこれからの事をオレは話し初めた。
「で、オレはどうなるんだ?」
「それは儂が答えようかのぉ。」
と爺さん。
「こちらの都合で済まないのだが、キミには儂が管理するもう一つの異世界に行って貰う。勿論じゃが理(コトワリ)に触れてはならないという制限が付くがキミの願いは可能な限り叶える。」
「こちらの都合というのは?」
「うむ。キミを天上に送ろうにも空きがない。かと言って元の世界で生き返らそうにも神は世界へは基本的に干渉してはいけぬし世界の理に触れてしまう。しかしの異世界でなら生き返らしたり転生させる事がギリギリ可能になるのじゃよ。」
「へー……。ぶっちゃけ本音を言うと?」
「閻魔のお仕置きを受けとうない!(ガタプル…」
ホントにぶっちゃけたな……オイ。自分の都合だし。
「ま、まぁそれは置いておくとしての。どんな願いにするのかの?それから言い忘れておったがの“理”というのは死人(シビト)を蘇らせてはならない、生命を創ってはならないとまあ他にもあるがこんな所かの。あと、あの雷で儂の加護つまり世界の加護がキミについておる。」
よし……だったら……
「まずオレが地球で“いた”という事実を消してくれ。」
「ほっ?それは何故かの?」
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