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「それなら彼に聞いた早いと思うのじゃがどうかの。」
「それもそうじゃな。ラストは直接見ておるしな。」
とラストさんに話しがふられた。
「ハッ!知るか。勝手に魔法が発達した中世の世界でも妄想してろ。」
と話しをふられたラストさんはそう皮肉気に答えた。
「少し思ったんたんだけどラストさんって何者?神様?」
ここって神様しか入って来られないらしいし。
「僕が神?有り得ないナ。僕はただの人殺しでバケモンだ…。」
「バケモノ?」
オレは思考を巡らそうとしたがそれは爺さんによって止められた。
「ま、まぁ彼の事は少し特殊な人間だと思っておいてくれんかの。」
余り聞かんでくれと言われてオレはラストさんの事を聞くのをやめた。
「それより他に願いは無いのかの?向こうには少ないが戦争をしておる所もあるし魔物などの危険な類が居るんじゃが……。」
「そんな事、急に言われてもなぁ……。記憶を残した状態で今の姿で向こうに行きたいってくらいしか思い浮かばないしな……」
オレにとってこれが一番重要なんだよ。悪いか?よく小説とかである赤ちゃんからとかカッコ良くなってとかはなんかヤダ。
「確かにキミには世界の加護がついておるおかげで魔法関連についてはキミ自身には魔法は効果がまず無いじゃろうし、魔力の質は最高じゃし量もほぼ無限じゃから普通に暮らしていくなら危険は先ずないしのぉ。」
んー…と悩んでいるとポンッと手を叩いて婆様が何か閃いたようだ。
「そうじゃっ!」
「何か思い付いたのか?婆様。」
「うむっ!」
とニッコニッコ顔の婆様。よほど良い案が浮かんだみたいでその笑顔が眩しい。それに
「かわいい……。」
「うん?妾を誉めても何も出んぞ。晴香。妾には森羅がおるしな。」
いけね。心の声が出てしまった。因みに森羅というのは婆様の旦那さん。つまり俺の爺様。とうに百歳は過ぎて居る筈なのにイケメンだし婆様と同じように二十歳だって言われても頷ける位見た目が若いから本当に不思議だ。
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