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「……さっさと行け、クソガキ。」
そして鍵を回した。
「な!?オレはクソガキじゃない!オレは晴」
香だ!と言い返そうとしたがオレの意識はそこでホワイトアウトした。
♪♪
「精々残りの人生を楽しめ……クソガキ。」
ラストは晴香を旅立たした後、彼は誰に言うでもなくそう呟いた。
「ラスト…いや、岬の姫君(ヒメギミ)。どうしたというのじゃ……そんな事を言うとはヌシらしくもない」
「そうじゃの。いつもの君なら何も言わずに帰る筈………………むっ?!まさか“ヤツ”の封印が解けようとしておるのか!?“ヤツ”が復活すればッ「まて、神よ」」
神はラストに自信の疑惑を問いただそうとしたが彼の一言に制された。
「神よ、慌てるナ。ただ必然的に封印が一つ外れベイン──僕に痛みが戻り運命の歯車が回り初めただけだ。」
「じゃ、じゃがしかし!「ええい、落ち着かんかっ!」す、すまん……。」
神無の一喝により神は落ち着きを取り戻した。
「…して、姫君。どうなのじゃ?」
「それだけだ。問題ない。ただ世界の意思が働き、封印を外し自身を守るために別の何かに組み込んだようだ。」
「別の何かとは?」
「…………」
神の問いにラストはただ首を横にふった。分からない……ということなのだろう。
「そうか……。君に責任はない。本来なら儂がせねばならんことじゃから……の。」
「ハ、僕が勝手にやっただけだ。」
ラストは皮肉気にそう言い、不意に後ろへと倒れ込みこの白い世界から消えた。
「還(カエ)ったか。さて、妾も帰るとするのじゃ。甘納豆が妾を待っておる♪」
神無もまた黒い鬼火を纏っていく。その鬼火が神無を包みきったと同時に彼女と一緒に消えた。
「二人とも還ってしもうたのぉ……。溜まっておる書類はどうしたものかのぉ……。ハァ……。」
神は一人、白い世界で愚痴をこぼしながらその姿を光へと変え消えた。
白い世界──世界の境界は再び静寂が戻った。
…………ゆらりと黒い陰が蠢(ウゴメ)く…。
「…………ククッ…クカカカカカカ!!此処が境界か!!いい!実にいいぞ……。まさに真理に満ちた世界(トコロ)だ!!」
……その陰(カゲ)は実に愉快そうに笑っていた。狂気を……纏いながら。
[Be To conted......]
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