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「えーと……。」
呆然。それが今のオレを現すのに相応しい言葉だった。
「ん?気が付いたか。」
黒い仮面の人がオレが呆然としているに気が付いたのか爺さんを睨み付けるのを止めてこっちを向いた。
「いろいろ話さないといけないが──僕が“許可”する!《コイツの存在を許可しろ。》」
その言葉が紡がれ、その人から放たれた瞬間。
──世界がザワリ……と震え蠢いた。
まるでその言葉に付き従うかの様に。
「ッ!?」
オレを排除する事を仕方なくこの世界は諦めた。詰まる所それが意味するのは"オレ"という存在がこの世界に不安定ながらに許されたと言うことだ。
「なぁ……」
警戒する。本能が目の前にいるコレは圧倒的であり危険だと警告音が鳴り響く。
「ハァ……。早くしろ。聞きたい事が有るンだろ。」
「え……?あ、あぁ……。」
その呆れた様な声に急に警告音が鳴り止んだ。
「警戒するナ。警戒するだけ後で馬鹿しくなるだけだ。それから此処では僕の事をラストと呼べ。」
その黒い仮面の人──ラストの言葉を信じて警戒を解いた。そして、ふ…と息をつき、話し初めた。
「──じゃあ聞くがラストさん。此処は何処だ?いや、そもそもこの白い世界は何なんだ!?」
一番の疑問。
「世界の狭間であり門の中でもある場所。此処がオマエに白く見えるのは世界ですらないから。もっとも普通は神しか入って来られないがな。」
「神様しか入って来られない?だったら何でオレが此処にいるんだ?」
「それはあの二人に聞け。その方が早い。ただ僕が言えるのは“オマエは果てしなく幸運であり不幸だった”と言うことだ。」
どういう事なんだ?分からない。渋々とラストに従って二人へと声を掛ける。さっきも言ったが本当に女性の方は婆様でないで欲しい。
「あー……婆様?」
「ぬ?おぅ。久しいの晴香。うん?どうしたんじゃ?そんな世の中全てに絶望したみたいにしおってからに。」
何て事だ……本当に婆様だったよ……。
「絶望……した……。不条理過ぎる……。本当に婆様だったとは……。」
「むぅ……仕方ないのぉ。ヌシが悪いんじゃぞ?」
婆様が懐からゴソゴソと何かを取り出そうとしているが知った事ではない!オレは絶望する事に忙しい。
「んーこのボタンじゃったかの?カチッ『ヤァっ///そこらm「わぁーーッ///!?何てモン持ってんだよ!?婆様ッ!?」
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