758人が本棚に入れています
本棚に追加
/166ページ
「先生、私ね。先生は来ないんじゃないかって思ってた」
私はまだ先生の腕の中に抱き込められたままそう言った。
「何で?」
先生はそう呟くと、ちょっとだけ私の体を自分から離した。
私はそのまま先生を見上げ、
「だって……先生にとっては昔過ぎる思い出だから」
そう言うと、今度は自ら先生の胸にコツンと額を当てた。
すると先生は、私の頭を撫でながら、
「その話は、今度ゆっくりな……長くなるから」
と呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!