無題

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 とある小さな町。そこに唯一存在する店に、私達は居た。 店内にはボロボロの木製机が一つに、その周りにはそれと同様にボロボロの椅子があるだけだった。いや、カウンターもあるか。 出入り口は扇形の引き戸がある。それはドアとは言い難い、剥き出しになったものだ。 それらはどこか西部の酒屋のそれをイメージさせた。 そこに居るのはたったの三人。 カウンターでコップを磨くウェイター。 目までかかる髪に、伸びた髭。渋いイメージを強く持たせる三十前後の男性。 そして私の三人だ。 彼らは俯き、何も言わない。依然として黙っている。 まぁそれは私にも言える事だが。
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