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その静寂の中で聞こえる一粒の声。
「諦めろ。」
「────っ!!」
私は後ろを向き──そして走り出す。その瞳には涙が浮かんでいたかもしれない。
私は走り抜ける。
政府によって、脱け殻と化せられた町の中を。
「う────」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
意味もなく叫ぶ。まるで何かを訴えるかのように。
だが、そんな悲痛の叫びも…この快晴の空に吸い込まれていってしまった。
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