嘘の定義

14/16
前へ
/17ページ
次へ
  「少年。ありがとね」 「なんだよいきなり」 「ん、何となく」 「そっか……」 「うん……」 「ねぇ、少女」 「何? 」 「ありがとう」 「私達どちらか死ぬの? 」 「なんで? 」 「だってこういうを死亡フラグって言うんでしょ? 」 「いや、それはどうだろ……使い方間違ってる気もするんだけど……」 「あのね、人間はいつか必ず死ぬ訳でしょ? ならその時まで精一杯生きたいよね」 「そうだね」 「空が綺麗だねぇ」 「そうだね」 この広い空を仰ぎ見て思う。僕の灰色のパレットは、少女が居てくれた事でその色を変えた。それも二色にだ。 1つは、この空みたいな蒼色。 もう1つは、キンモクセイみたいなオレンジ色。 本当に少女には感謝してもしきれない。 でも、僕は少女に色を残せたのだろうか? 「ねぇ少年。私言っておきたい事があるの」 「何? 」  
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加