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「少年。ありがとね」
「なんだよいきなり」
「ん、何となく」
「そっか……」
「うん……」
「ねぇ、少女」
「何? 」
「ありがとう」
「私達どちらか死ぬの? 」
「なんで? 」
「だってこういうを死亡フラグって言うんでしょ? 」
「いや、それはどうだろ……使い方間違ってる気もするんだけど……」
「あのね、人間はいつか必ず死ぬ訳でしょ? ならその時まで精一杯生きたいよね」
「そうだね」
「空が綺麗だねぇ」
「そうだね」
この広い空を仰ぎ見て思う。僕の灰色のパレットは、少女が居てくれた事でその色を変えた。それも二色にだ。
1つは、この空みたいな蒼色。
もう1つは、キンモクセイみたいなオレンジ色。
本当に少女には感謝してもしきれない。
でも、僕は少女に色を残せたのだろうか?
「ねぇ少年。私言っておきたい事があるの」
「何? 」
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