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「肉じゃがっすか!」
顔を輝かせた林さんに、多分ねと返した。
我が家の肉じゃがは風間家に評判がよく、春菜姉さんは特に気に入っている。
もちろん、林さんも母さんの作る肉じゃがをべた褒めするほどの気に入りようだ。
「ありがとうございやす!」
「どういたしまして。そうだ、春菜姉さんは居る?久しぶりに話したいし」
「おられやすよ」
応接間に通され、林さんではない別の舎弟の人が紅茶を持ってきた。
高級品だと分かる香り高いそれを舌鼓を打ちながら飲んでいると、扉を開け春菜さんが入って来た。
慌ててソファーから立ち上がり頭を下げた。
「潤ちゃん!久しいねぇ!」
目一杯抱き締められ、少しの息苦しさに耐えていると頬にキスをされた。それに応えて春菜さんの頬にキスをする。
以前は顔を真っ赤にするくらい驚いたものだったが、今では慣れてしまった。
「お久しぶりです。お元気そうで何より」
「んもう!かしこまらんといて!そや、わざわざ私に用なんてどないしたん?」
「母さんから、肉じゃがを預かってきたんだ。良かったら晩ご飯にどうぞ」
風呂敷ごと春菜の前に差し出す。
すると春菜は、嬉々として包みを開け中身を確認するとそれを机の端に寄せた。
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