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夢見が悪くてなかなか寝付けず何度も寝返りを打つ。
睡魔は遠ざかってしまったようでなかなか訪れる気配はない。
暗闇の中、目を伏せ悶々と過ごす。
もういっそのこと起きてしまって図書室に籠ろうか?
そう思い始めたときだった。
セキュリティが勝手に解除されたようで扉が音もなく開き、朔がのっそりと現れた。
そうして朔はもそもそと芙蓉のベッドに潜り込む。
「……こら、朔。自然に入ってくんな」
「あらら……起きてたの?」
「まあな」
「眠れない?」
「…………」
「そっか」
「朔は寝ていなかったのか?」
「一回寝たんですけど目が覚めちゃって、でパソコンいじって……でも寝なきゃと思ってもう一回横になったけど全く眠れなくて。1時間くらい頑張ったんだけど無理だったから、これはもう芙蓉の傍に間借りするしかないと思い立ったんですよ」
芙蓉が少しベッドの端により、スペースをあけてやると朔が嬉しそうに収まり、それだけでは飽きたらずに甘えるように芙蓉をきゅっと抱き締めた。
密着するとやはり朔の身体は熱くて……病を押してここにいるのがわかってしまった。
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