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麗らかな午後。 カタカタカタ……キーボードを叩く規則的な音が続く。 芙蓉は今日何度目かわからぬ溜め息を押し殺した。 「約束と違わないか?」 「あーうん……ごめんね」 「……忙しそうだな」 「戻る前にしてしまわないとね。明日の朝には華南に戻れると思うんだけど……今日はちょっと無理かな」 「そっちの約束は期待していない」 「え?」 ようやくパソコンから顔を上げ朔は瞬く。 「……休めと何度言ったらわかる?寝ろ!」 「今まで以上に睡眠時間は長い方ですよ?」 「何処が?」 「芙蓉……」 「3時間程で起きているじゃないか」 「睡眠の周期は90分……2サイクルも寝ているのは快挙ですよ?」 「……本当に寝ないんだな」 「そう言う芙蓉こそ睡眠時間短くない?」 「6時間は寝ている」 「そう?」 朔はもう芙蓉から目を離しパソコンの画面に食い入ってた。 「「っ寝ろ!!」」 芙蓉の怒りの声と幸継の激しい突っ込みが重なった。 「……五月蝿いよ、ユキ君」 「じゃかぁーしぃ。寝てろっちゅう厳命と違うかったんか?さっきかて誠センセ診察して帰ったばっかりやろうに」
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