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「比較的調子は良いんですよ?」
「……お前なぁ……ったく、何でこんな肝心な時期にフェンがおらへんねや?」
「未来を掴みに行ったんですよ」
「今やのうても……」
「今でないと間に合わない。だから行かせた。自分で自分の未来を選ばせるために」
不服そうな幸継に朔は続ける。
芙蓉は話について行けずただ静聴に徹した。
「ユキ君。フェンは僕の護衛じゃないんですよ?」
「似たようなもんやないか。」
「大事な大事な食客です。むしろ日本にいる間のフェンの護衛は僕の方ですよ」
「リッチやなぁ」
揶揄する幸継を尻目に朔は真剣に返した。
「それだけの価値がフェンにはありますから」
言い終えるとパソコンを閉じた。
「御茶にしようかな」
ベッドから離れる朔。
芙蓉は仕方ないと溜め息をつき、朔の後ろを付いていく。
「24時間ずっと横になってたら肩が凝ってしまう……ユキは何を飲む?」
「緑茶……そうやなくて!」
「五月蝿いよ、ユキ君」
「……何で俺様がこんな奴の護衛をせにゃならん?」
「僕は必要ないから芙蓉をよろしくお願いしますね」
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