2

5/43
前へ
/321ページ
次へ
*** 「東雲教護会かぁ……また面倒臭いのが絡んどうな」 「力量は?」 「真っ向勝負で水城と同等か……ちょい上……かな?」 「……なるほど」 そこまでして殺してしまいたいほど危ぶまれる存在なのだろうか? 芙蓉はそれほどまでに憎まれなければならない存在なのだろうか? 向けられた悪意に自分を簡単に譲ってしまいがちな優しい芙蓉をどうしてそんな一方的に傷付けることに躊躇いないのだろう。 「まあ……俺がずっと張っとか」 「ん……」 「千鶴と飛沫も寄せといてくれた方が心強いけど?」 「千鶴には別件を託してまして……飛沫も今は兄上が元に」 「お前手駒をばら蒔くんいい加減にしとけよ?」 「今更ながら後悔してますよ」 「……つぅかさ、お前確か寝てろって厳命されてなかったか?しかも芙蓉に」 「んー……まあそれはそうなんですけどね」 浮かない顔の朔はそのまま苦笑した。 「これでも最初は大人しく横になってたんですよ?だけどなんか考えれば考えるほど腹が立って、どうとっちめて差し上げようかと画策している内に段々目が冴えてしまってどうにも眠る気になれないというか……」
/321ページ

最初のコメントを投稿しよう!

351人が本棚に入れています
本棚に追加