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-わたしはここよ-
-だれだ?-
-わたしはわたし。……ねぇ?早く向かえにきてよ-
-だから誰なんだアンタは?-
-早く…向かえに……-
そこで目が覚めた。
イシオは頭を掻きながら粗末なソファーから起き上がった。
「…なんつー夢だよ…」
イシオは今しがた見ていた夢を思い出した。
少女のやさしい声が自分を向かえにきてと言っていた。
「ったく、20年間も彼女がいないと危ない夢を見るようになるんだな…」
呟きながら自嘲する。フラフラと全身鏡の前にいき、自分の姿を確認するイシオ。
そこに映るのは、髪はボサボサで目は虚ろ、身長も165㎝と低めで、2枚目とは言いがたい(というかほどとおい)自分の姿だった。
(…オレに向かえにこられるお姫様はどんな気分なんだろうな…)
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