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―1年と6ヶ月前―
クイト自宅
ギィィィ
木製の古いドアを軋ませながらが屋内に入る男がいた。
「おいルイス、お前今日誕生日だよな、確か。」
それがクイト。
バタン ガチャ
「あぁ、お帰りクイト。え、誕生日?あぁそういやそうだね。16歳だ!!」
そう、この日はちょうどルイスの誕生日だった。
「何やら王族直務部隊の人員が急に減ったもんで、人手を探してるそうなんだが。」
「急に減った?なんかあったのか?」
「そんな、詳しくは知らねぇよ。上に優秀な人材を探してこいって言われただけだからな。」
「マジか、やばいな、ついに俺も魔術が使えるようになるのか?!くぁぁぁ、楽しみだなぁ。」
喜ぶルイスを横目に
クイトは続ける。
「あぁ、いやすぐには使えないんだ。って言うか、お前そんなことも知らないのか。」
「悪かったな。」
「まぁ、良いさ。」
テーブルの上の篭からポトルという魔果を取って、口に運ぶ。
「わっ、すっぺぇ。買ったばっかり??」
「え、どうだろう。隣のりんごは昨日買った奴だけど。あ、違う。それ多分痛んでたかも。ジャム作ろうと思ってたから。」
「ってこたぁ、お前、これ。」
「そうだね、半分腐ってたと思うよ。」
ルイスが言い終わるか終わらないかのうちに、クイトはバタバタとトイレに駆け込んだ。
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