アサミの葬儀屋

9/14
前へ
/37ページ
次へ
…誰かなんて聞いてもしょうがないか。 どうせ死ぬんだし。 「死ぬ」 端的に答えた。 それきり男は話さなくなった。 ただそこにいて。 私が死ぬのを待っているかのように。 普通、「はやまるなー!」とか「待てー!」とかって止めるよね? 「…止めないの?」 止めてほしいわけでもないけど、自然と口から出た。 男はやや怪訝な顔をして 「止める必要もないでしょう。早く飛び降りて下さいよ」 さらりと言い放つ。 なんだ、この人。 自殺あおり? それとも死体を見るのが好きとか?
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加