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部屋に入るとまだまだ綾ちゃん達は盛り上がっていた。柾紀くんが私に気づいたようだ。
「おかえりー。
ん?どしたん?」
「えっと、廊下歩いたら人にぶつかって慌ててたら自分の足に躓いちゃって……」
「大丈夫?」
恥ずかしいほうが上。今さっきから暑くてしょうがない。
「今、その人に連れて来てもらって…」
「冷やしたほうがいいんじゃない?俺借りて来るよ。」
扉が開いて男の子が入ってきた。
「遅れた。」
「おー、航。遅いぞ~。お前も歌えよー」
「後で歌う。」
い、今さっきの男の人。顔ははっきり見なかったけどあの人に違いない。
私に近付いてきて、何かを差し出す。
「こ、これ。冷やしといたほうがいいと思って。」
渡されたのは氷で、紛れも無くあの時の人で。
「あ、ありがとうございます!!」
私はそれを足首に当てる。ひんやりして気持ちいい。
「もしかして、千尋ちゃんがぶつかったのって航?」
「そう、みたいです。」
「航、お前超いい奴~。」
「うっさいぞ。」
「冷てえな~。」
柾紀くんの言葉を無視してフライドポテトを食べていた。
な、なんかイメージが違う感じ……。
「あ、こいつが航だよ。今さっき似てるって話してた。」
私とこの人が似てる……?この人すごく親切にしてくれたし、お、お姫様抱っこまでしてくれたし、女の子と話すの苦手じゃなさそうなのに。
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