♯02

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部屋に入るとまだまだ綾ちゃん達は盛り上がっていた。柾紀くんが私に気づいたようだ。 「おかえりー。 ん?どしたん?」 「えっと、廊下歩いたら人にぶつかって慌ててたら自分の足に躓いちゃって……」 「大丈夫?」 恥ずかしいほうが上。今さっきから暑くてしょうがない。 「今、その人に連れて来てもらって…」 「冷やしたほうがいいんじゃない?俺借りて来るよ。」 扉が開いて男の子が入ってきた。 「遅れた。」 「おー、航。遅いぞ~。お前も歌えよー」 「後で歌う。」 い、今さっきの男の人。顔ははっきり見なかったけどあの人に違いない。 私に近付いてきて、何かを差し出す。 「こ、これ。冷やしといたほうがいいと思って。」 渡されたのは氷で、紛れも無くあの時の人で。 「あ、ありがとうございます!!」 私はそれを足首に当てる。ひんやりして気持ちいい。 「もしかして、千尋ちゃんがぶつかったのって航?」 「そう、みたいです。」 「航、お前超いい奴~。」 「うっさいぞ。」 「冷てえな~。」 柾紀くんの言葉を無視してフライドポテトを食べていた。 な、なんかイメージが違う感じ……。 「あ、こいつが航だよ。今さっき似てるって話してた。」 私とこの人が似てる……?この人すごく親切にしてくれたし、お、お姫様抱っこまでしてくれたし、女の子と話すの苦手じゃなさそうなのに。 .
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