♯02

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「あの、さ。」 隣で声がして見ると早坂くんが立っていた。 「…落合さん、足痛いですよね?」 「……はい。恥ずかしながら痛いです。」 「あのお節介だったらごめんなんですけど、チャリで家まで送りましょうか?」 「えっ、でも早坂くんに悪いですし…」 「俺、帰り道こっちだし気にしないでいいですよ。」 「重いですよ?」 「さっき軽かったし大丈夫、乗って下さい。」 ここまで言ってくれているのでお言葉に甘えて乗せて帰ってもらおう…… 「なら、よろしくお願いします。」 早坂くんのチャリの後ろに乗せてもらった。普通二人乗りって背中辺りを掴んでる乗るよね…… 少し掴んでみた。早坂くんのブレザーの横腹のところを。 「落合さん、落っこちちゃいそうだからちゃんと握ってて下さい。」 「はははっ……。 はい。」 そう言われてもうちょっと掴んでみる。は、恥ずかしい。 ……もう完全にドジだって思われてる。間違いなんかないんだけど。 それから出発した。 「……私、柾紀くんに早坂くんと似てるって言われたんですけど」 「はっ!? どこらへんが?」 早坂くんはお友達の話しをすると変わる。口調も雰囲気も。でもきっとこれが普通なんだろうな。 「えっと、実は私男の人と話すの苦手なんです。 それで早坂くんも女の人と話すの苦手なんだよって聞きましたよ。」 「あいつべらべらと喋りやがって」 「でもそんな風には私にはみえなくて…… こんな見ず知らずの私にこんなに親切にしてくれたし…」 女の人と話すの苦手だったらこんなに親切にしてくるないと思うし。 .
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