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『あいつは俺に、一体なんの怨みがあるんだ!?』
俺が南瓜を叩き切りながらいうと、野木は首を傾ける。
「怨みがあるってより、からかって楽しんでんじゃねーの?」
野木はそう言うと、俺の切った南瓜を鍋に入れる。
『はぁ~?』
俺が怒りと呆れを交えて言うと、野木が開いた俺の口の中に何かをいれた。
〝サクッ〟
思わず噛むと、サクッとした触感とバターの香りがした。
「まぁまぁ、落ち着いて。南瓜が煮えるまで暇だから、茶でもしようぜ?」
そう言って、野木はいつの間にか焼いたクッキーを調理台の上に乗せて、紅茶まで用意している。
俺は促されるままに野木の向かい側に腰を下ろした。
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