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『セクハラってか嫌がらせだよ。』
俺は慌ててそう言い直した。
だが、俺が悩んでいるのはセクハラをされていることだけではなかった。
最近、セクハラをされてもそんなに嫌じゃない気がする。
それで俺は困っていた。
「嫌がらせね~。
でも、護国寺はお前のこと嫌いなわけじゃないと思うけど?」
野木は紅茶をすするとそういって首を傾げた。
「なんだかんだ言ったって、いつもピンチのときは助けてくれんだろ?」
野木にそう言われ、俺は頷く。
そう、律也は俺が本当に困っているときは助けてくれるのだ。
3ヶ月くらい前に家出をした俺を心配して探してくれたりもした。
…嫌がらせとセクハラさえなければ、頭も顔もいいし、いい兄貴なんだろうな…
俺はそんなことを考えながら紅茶を啜り、南瓜が煮えるのをまっていた。
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