第二章~嫌がらせの真意~

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スエットに着替えてリビングに戻ると、いい香りがしてくる。 俺はソファーに座ってテレビをつけた。 「あ、ひじ兄お帰り!」 テレビを見ていると、リビングに入ってきた妹に声をかけられる。 『お、咲。 ただいま。』 俺はそう返すと再びテレビの画面に視線をもどした。 「あ、これ学校で流行ってる漫画がドラマ化したやつだ!!」 咲が俺の後ろから身を乗り出してテレビを見つめる。 『へぇ、面白いのか?』 俺は画面を食い入るように見つめる咲にたずねた。 「うん! 兄妹どうしの禁断の恋の物語なんだよ!!」 咲はそう言って目をキラキラさせる。 「兄妹っていうのがいいんだよね~。」 咲はそう言うと遠い目をする。 『そうなのか。』 …近頃の中学生はドロドロした恋愛ドラマが好きなのか?… 俺はそんなことを思いながらそうこたえた。
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