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んんっ…あ~……
自己紹介しよう。
俺の名前はレイヤ・M・アンダーソン。
性別は男。
出身はテラ(地球)星域の小さな惑星のひとつ。
一般的なテラ星人だ。
職業は会社員。
星間輸送会社である株式会社ジュピターの社員なのさ。
任されているのは宇宙カーゴ船1台。
船の名前はデネブ号。
こう見えても船長なんだぜ。
え…?
そんなふうに見えないって?
失敬な!!
体形が(かなりの?)痩せ型だからってか?
自分ではそんなに痩せてるつもりはないぜ!(…まあ周りにいる同僚はマッチョな体形な奴がほとんどだからなあ……そいつらと比べられると…トホホ……。)
年齢は……20代とだけ公表しようか。
入社して3年目。
まだまだ気分は新人だがかなり船長として経験は積んできたつもり…。
そしてここは本社の部長室。
出社したとたん呼び出されて少々…いやかなり緊張している。
なんか…クレームかなあ……
ドジは踏んでないつもり…なんだが…
ふかふかのソファーに座らせられているのだがなんとも居心地が悪い。
部長はといえば俺の履歴書なんぞ眺めて何か考えこんでいる様子……
「や…待たせてすまないね…どうだね、仕事には慣れたかね(ゲコゲコ)」
やっと書類から顔をあげ話しだした部長の顔はテラ(地球)星域に生息しているというカエルそっくりだ。
フロッグ星人の特徴なんだから仕方ないとは思うものの彼が話すと語尾には『ゲコゲコ』としか聞こえようがない擬音が常につく。
俺は込み上げる笑いを必死にこらえながら、
「まあ…なんとか慣れたと思います。」
とだけ答えた。
「ふむ…実は君にやってもらいたい仕事がある。君の船と同じタイプの新造船を購入予定しておってな(ゲコゲコ)…ついては新人を教育してもらいたいのだが…(ゲコゲコ)…」
【ピンポーン♪】
タイミングよくチャイムが部屋に響いた。
「どうやら来たようだ(ゲコゲコ)…入りたまえ」
《シュッ…》
微かな音をたててドアが開く。
「イザベル・D・サークラーです。」
そこには…妙な物体(人物?)があった(立っていた?)。
なぜならそれ(彼女)は…体型が限りなく球体に近かったから…
二十数年生きてきていろんな異星人を見たがここまで丸い人物は見たことがなかったゾ!!
「ああ…イザベラ君、紹介しよう(ゲコゲコ)。彼が君の教育係になるレイヤ・M・アンダーソン君だ」
部長が耳障りな鳴き声混じりに紹介する。
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