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それから数日後、約束をした連休となり、
絵里奈と彩の二人は彩の叔父が運営するペンションへ遊びに来ていた。
「空気も綺麗だし、最高だねぇ~」
「そうでしょ?私もここはお気に入りなの」
ペンションに着き、一休みをしていて、二人はそんな会話をした。
「そうだ、もう少ししたら海に行こうか?」
「うん!」
彩の問いかけに絵里奈は子供のように嬉しそうに返事をした。
そんな彼女を見て、普段は物静かで大人びている彼女も子供のような一面があるのだと、
彩はそう思った。
暫くして、二人は海へ向かった。
10月下旬の海にはもう人の気配はいなく、自分たち二人位だった。
「やっぱり、人いないね・・・」
「うん・・・。でも、これはこれで良いかな・・・」
「え?」
「うんん。独り言だよ」
絵里奈の言った言葉が確りと耳に入らなく、
彼女に問い返すが、絵里奈は首を軽く左右に振ってそう言った。
そんな時、突然の絵里奈の行動に彩が驚いて彼女に問いかける。
「え?絵里奈?何やってるの?」
「うん?せっかく海に着たんだし、足ぐらい浸けてみようかなぁ・・・ってね」
「・・・もう・・・・」
靴を脱ぎながら子供のような笑顔を見せる絵里奈の言葉に、彩は少し溜息を吐くが、
彩も笑顔を浮かべ自分の靴を脱ぎ、海水に足を浸けた。
10月下旬の海水は、少々冷たかったが、二人の足は次第にその冷たさに慣れていった。
パシャ・・・パシャ・・・っと、音を立てながら、
子供のように二人は、海に足を浸けながら遊ぶ。
そんな時、不意に絵里奈が独り言のように言った。
「こうやって、彩と遊べるのもこれが最後かも―――・・・・」
「・・・え?」
今の言葉も、彩には聞こえなく、再び絵里奈に問う。
しかし、絵里奈は無理のあるような笑顔で、彩に「なんでもないよ」と、告げた。
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