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「っ!」
ガバッと、彩が飛び起きた。
「!ゆ、夢・・・・?・・やだ・・・・私ったら・・又、こんな夢を・・・・」
重たい溜息を吐き、彩は頭を押さえる。
最近、ずっと、同じ夢ばかり見てしまう―――・・・・。
あの海から帰ってきてから一週間・・・・。
絵里奈が高熱を出し、入院をしてからずっと――・・・・。
ずっと、毎日同じ夢を見続けた――・・・・。
暫く彩はベッドの上で何も考えずにいた。
フッと、ベッドサイドの時計に視線を向ける。
今の時間は、朝の10時を回ったところ―――・・・。
昨日は本を読んでいて、寝るのが遅くなった為、
此処まで寝坊をしてしまったのだろうと、彩は思った―――・・・。
そんな時だった・・・・。
コンコン――・・・・
部屋がノックされ、母親が電話の子機を持って部屋に入ってきた。
「彩、電話よ」
「誰から?」
「榊原さんからよ」
電話の相手は絵里奈の従姉妹である榊原夕鶴かららしい。
しかし、思いも寄らなかった相手からの電話に彩は少し戸惑う。
「え?夕鶴?如何して私なんかに・・・?」
「解らないわ。兎に角、早く代わってあげなさい」
そう言い、母親が彩に電話を渡す。
「もしもし、夕鶴?」
『彩か?』
「うん、ねぇ?どうしたの?」
『そ、そんな場合じゃない!!』
「え?」
『早く、絵里奈が入院している病院へ着てくれ!!』
「ど、どうしたの?」
嫌な予感が彩の頭を横切った。
その後、彩は、夕鶴から信じられない真実を聞く事になる。
『え、絵里奈が・・・・絵里奈が死にそうなんだ!!!だから早く病院へ・・・』
「・・・・う、うそ・・・・」
ボトッと、音を立て、彩は手から受話器を落とした。
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