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「忘れないで・・・・私のこと・・・・どうか・・・忘れないで・・・ね」
「何を言っているの?当たり前じゃない!絵里奈、確りしてよ!」
ぎゅっと、小瓶を持った手で絵里奈の手をとり、返事を返す。
その彩の言葉に、絵里奈はうっすらと涙を浮かべた瞳で・・・・
でも、その微笑みは優しく・・・・口を開いた。
「有難う・・・・彩・・・・もし・・生まれ・・・・変わったら・・・・
また、一番の親友で・・・・いようね・・・・」
するっと、絵里奈の手から力が抜ける・・・・。
その状況に彩は驚き、絵里奈の名を呼ぶ。
「え・・・・?えり・・絵里奈?」
心電図の心肺停止音が病室に響き渡る。
「・・・・ご臨終です」
医師の言葉に絵里奈の家族は崩れ落ちた。
夕鶴と透弥は唖然とする。
そして、彩は・・・・。
「絵里奈・・・・絵里奈ぁぁ!!絵里奈ぁぁぁ!!!」
彩は何度も絵里奈の身体を揺さぶり、怒鳴るように声をかける。
しかし、彩の抵抗を嘲笑うかのように、絵里奈は綺麗に眠っている・・・・。
まるで、糸が切れた人形のように――・・・・・。
「どうしたの?絵里奈・・・・私、まだ、絵里奈と沢山遊んでないよ?
勉強、教えてくれるんでしょ?約束したよね!?
絵里奈・・・・退院したら勉強沢山教えてくれるって・・・・もっと沢山一緒に遊ぼうって・・・・
どうして・・・・どうしてなの・・・?絵里奈ぁ・・・・」
「・・・・・うわぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!!」
彩は絵里奈の躯を抱き、大声を上げて泣いた。
その光景を見ていた、周りの人々は、どうにも出来なかった・・・・。
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