雨ざらし

1/1
前へ
/31ページ
次へ

雨ざらし

  空の何色なのかは知らない 流れ落ちる 僕の汚いこころ そんなことを夢見て浴びる 振り注ぐ 雨粒 この世をさ迷い 黒く 汚れた雨粒 あとには何も残っていない幻想 絶望にうちひしがれる振りをする僕は きっと今 汚い雨に打たれて 今が雨なのにかこつけて このあとに掛かる虹 眩しい太陽 すべて 見据える機会 権利を失ってしまっている 空を見上げる勇気も覚悟も 雨で流したことにしてしまっている 雨を浴びて綺麗になろうだなんて甘い考えの僕に 振り注いでいる この世の空気をしっかり吸った雨粒 本当に綺麗な雨が 降り注ぐ先が 虹の発点 煌めいた日向とも知らないで  
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加