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ヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品。
カナダ発の世界的ヒット作CUBE。
低予算ながら突飛もない発想、深まる謎に論理的な推理、張り詰める緊張、まるで新しい世界観。
CUBEにはよい点は多数ある。
単なるスプラッター的なホラーでなく、かと言って当時主流だったスクリームみたいな青春ホラーとも正反対の、断絶された不条理な特殊条件下のホラー映画である。
この設定は斬新でホラー映画に新しい可能性を見いださせた。
ここまでは正に名作紹介。
だが、この作品は終盤でとんでもないシーンを入れてしまい、一気に興醒めしてしまう。
間違った部屋を選択すると死のトラップが待ち受ける世界でありながら、間違った選択をしてしまった奴が死んでないはおろか、主人公たちと同じようにゴールに着いてしまうのだ。
ホラー映画だから最後にもうひと恐怖を入れるために登場させて、主人公たちを襲うシーンを入れたかったのかもしれない。
だがそのシーンが全く無駄。
間違ったルートでも死のトラップ掻い潜ってゴールに行けるんだと思いげんなり。
今までの知的な謎解きシーンはなんだったの? と思わずにはいられない。
あのシーンがなければなかなかいい作品に思えたけど、あれでなんだかこの映画の世界観が壊れた。
また最後のひと恐怖を入れたがる浅はかさと意地汚さも垣間見え、台無しになった気がしてならない。
蛇に足を書き入れてはならないということを改めて思い出させてくれる作品だ。
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