桜井と佐野

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目が覚めたのは朝の7時前、窓が閉じられ一切自然の陽光が入らない部屋だった。 裸の私は21歳で、隣には高校の同級生が寝息を立てていた。 煙草の匂いが染みついた嘘だらけのワンルーム。こんな家に住みたい、なんてことを何度言ってこの部屋に入室したのだろう。 きっと小学生の私はこの場所にいる10年後の自分なんて存在を知る由もない。 こんな胡散臭い私を昔の私は許すことが出来るのだろうか。 そう思うと、少しだけ涙が込み上げてきた。 たぶん、電車で見た夢のせいだ。 自分を納得させるようにシーツの端で鼻を拭いた。
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