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出会った日から、不二と少女は仲良くなった。
今では、お互いを名前で呼び合っている。
「えーっ、この写真って周助くんが撮ってるの!?」
目を輝かせて少女─中村美空が不二を尊敬の眼差しで見つめた。
「そんなに驚くことかな?」
「ん~…うん!カメラマンさんが撮った写真みたいっ」
自分の写真を見つめながら楽しそうに笑う美空を見て、不二はそっと微笑んだ。
「ありがとう」
この頃の不二は幸せだった。
モノクロの世界に色彩が加わって、空も海も土も花もキラキラと輝いていた。
でも、運命は残酷な程に2人を苦しめ始める。
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