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─カタン
物音がして、目を向けるとやつれた女性が病室のドアを開けた。
女性は不二の姿を見ると、困った様に哀しんでいる様に微笑んだ。
「周助くん…毎日毎日、美空の為にありがとう」
「いえ、好きで来てるんで大丈夫ですよ。砂空さん」
砂空さんと呼ばれる女性は美空の母親である。
美空が笑顔で不二の隣に居た時からの知り合いだ。
砂空は何か言いたげな表情をして、うつむく。
「…砂空、さん?」
不二が戸惑いながら呼び掛けると、彼女は微笑んで「大丈夫よ」とだけ言った。
「…そう、ですか」
再び不二は美空を見つめる。
「美空…」
大好きだよ。
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