Prologue

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青年があらわれた兵士の方へ足を踏み出した瞬間、二人の兵士は青年に向かって立て続けに矢を放った 青年が外套の下の刀に手を置いた瞬間、青年は数百㍍は離れた所にいた三人の兵士の目の前に現れる 突然現れた青年に驚く暇もなく、弓を構えていた兵士二人の首が宙を舞った 二つの首は弧を描いて胴体から数㍍離れた地点に落下し、首を失った胴体は白い雪原に赤い血を撒き散らしながら倒れた 二人の末路を目撃した兵士は持っていた杖を落とし、悲鳴を上げながら後ずさる 「動くな」 青年の氷のように凍てついた低音の声に兵士は動きを止め、がたがたと震え始めた 青年は着ていた外套と左手に持っている刀を雪原に放ると、ゆったりとした動作で震える兵士に近づいていった 青年は兵士を雪原に押し倒すと左手で兵士の外套と下に着ていたローブの首元と胸元を引き裂いた 青年は兵士の抵抗を簡単に押さえ込むと、露わになった首筋に顔を埋めた 肉が引き千切られるような音がした瞬間、兵士の首から大量の血液が噴き上がった 青年が顔を埋めた首からも、悲鳴を上げようと開かれた口からも大量の血液が溢れていく 青年はそれらを喉を鳴らして飲み込んでいった .
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