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「なるほど、」
それは私の部屋での話。
「どうでしたか?」
「いいんじゃないですかね。うん。少なくとも前の作品よりはいいです。」
辺銀のひどくがらんとした部屋とは反対に、
私の部屋は散らかっている。
否、荒れている。
カーテンの開け閉めが出来にないほどの散らかりようである。
ここ数年、カーテンを開けた記憶がない。
栖関さんが座っている机以外はベット以外に座れるようなところもない。
因みに栖関さんが座っている机こそ私の仕事場であり、
彼女は今パソコンで原稿を見ていた。
「確かこれは、先生が体験した話ですよね?」
「ええ。まぁ。」
「非常に不思議です。摩訶不思議ですね。何故、小説として書いた前作より、医者の言いつけで書いたこのレポートの方が物語じみていて、面白いのでしょう。」
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