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金属がぶつかり合い、木に刃が刺さる。
伊賀と甲賀の下忍達が一人また一人と傷つき倒れていった。
「伊賀は俺一人…甲賀も残すは一人」
陰弘は手にクナイを持ち、木上の影に隠れ機を伺っていた。
「!!!」
何処からか放たれたクナイが隠れていた陰弘の位置に刺さった。
「ふぅ…」
生と死の狭間という極限の状態…。
陰弘は不思議と恐れは無く、むしろ心が高揚し喜びに身体が震えていた。
「はぁ…はぁ、何だ?この高揚は」
「!…はっ!」
陰弘と甲賀の下忍は飛び合い刃を返したが力が拮抗していた。
「しっ…!」
「っぬ…!」
投擲された刃を避け、互いに木上に身を隠す。
「っ…強い。これほどの者が下忍とは」
陰弘は戦いの中で成長して来てはいたが相手には及んでいなかった。
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