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丑三つ時…。
あらゆる生き物は静かになり、聴こえる音は風や小川のせせらぎのみ。
ある森林では刃を交える音を響かせていた。
「ぐぁっ…!」
人影が木から現れ落下した。
「相変わらず弱い。下忍ではその程度だな?陰弘」
「くっ……」
陰弘と呼ばれ落下した青年は悔しそうに見下している相手を睨んだ。
「何だ?悔しいなら強くなってみろ。下忍のままでは難しいであろうがな?ははは!!」
陰弘に蔑みの言葉を浴びせ、もう一つの人影は消えた。
「っ!!!!!」
陰弘は目の前にあった木を殴りつけた。
痛みはあるはずだが止めようとせず、何度も何度も殴りつけ血が出ていた。
「下忍下忍と蔑み続けられるのが定めというのか…!」
夜空を仰ぎ、叫んだ後に集落へと引き返した。
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