第一章 強き者
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「こんな刻限に出歩いていると婆様に咎められますよ」 「お婆様には月見と言ってありますので」 にこりと穏やかなを微笑みを見せ、月を見上げた。 「はぁ……」 湖月は月を見て何かを想っているかのようにため息をついた。 「…………」 陰弘はそれを感じながらただ月を見上げていた。 ただただ沈黙が支配し微弱な風だけが吹いていた。 それを破ったのは陰弘だった。
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