プロローグ;戦乱の火種

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馬上の兵士達は 狭い林道で 密集した隊列では 大した抵抗も出来ずに 倒されていく 「何事だ!?」 「隊列を立て直せ!!」 「右… いや 左からもだ!!」 薄暗く狭い林道に 怒号と悲鳴が響き渡る 襲撃者達は 個々の圧倒的な強さと 卓越した連携で 護衛部隊を制圧していく 外の細かな様子が わからない 馬車の中で 貴族の男性が震えていた 「なぜ こんな事に…」 使者を任された彼は 文官であり 彼自身に戦闘力は皆無のため こうやって 頭を抱え 護衛部隊が襲撃者達を 撃退する事を祈る事しか 出来ることは無い そして 外の喧騒が 収まっていった 後は 馬車の扉を開けるのが 彼の護衛部隊であることを 祈り続けるだけだ しかし 何時まで経っても 扉は 開かれない 不審に思った彼は 恐る恐る 馬車の扉に近づき ドアノブに手を伸ばした
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