序章

2/3
前へ
/3ページ
次へ
毎日に飽きていた。 起きて、ガッコ行って、蟻の様に群がるヒトに笑顔振りまいて、聞きもしない授業でて。 家に帰ると自室から出ずに、ひたすら時間から自分が遠ざかるのを待つ。 先の知れた物語。 展開がない、小説。 つまーんね。 全部、嫌だった。 それが、中3の春。 クラス替え。 俺(といっても女である)、弥詩は、何かとセンセーにお世話になる存在だった。 情緒不安定、家では暴力を受け、授業中は睡眠タイム。そのくせ、成績はいつも学年の五分の一の順位には入っている。 全く嫌な生徒だわ。 そのせいあってか仲がいい友達とは、一回も同じクラスになったことがない。 俺を快く思う保護者自体が多く無かったからだろうな、きっと。 今回も、例外じゃ無かった。 誰一人として気軽に話す事が出来ないであろう、一年間を見渡し、吐き気を催すほど気分が悪くなった。 孤独が嫌いなわけじゃない。 俺がこれほどまでにヒトに対して群れを求めるのは、訳がある。 小学校から中2までイジメがあった。 きっかけは些細なことで、 「弥詩はカラスを生で食った」 と言う噂が広まり、たちまち俺は普通の人間関係を取り上げられた。 それが、中学に上がっても続いてたんだ。 だから、周りにヒトがいれば怖くない。誰かと仲良くなれば、守ってくれる。 そういう思考に達したんだと思う。 クラスのメンバーはさほど悪く無かった。 あいさつをすればかえってくるし、さすがに中3とまでなれば、イジメも消えていた。 でも、対して仲がいいわけでもない人間の間を宛もなく往き来するのは、大きな不安を生んだ。と同時にめんどくさい、っていう感情にかわった。 めんどくさい。疲れる。 なんで俺を理解してない奴らと一緒にいなきゃいけない? なんで笑ってなきゃいけない? そう思う毎日だった。 続
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加