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毎日に飽きていた。
起きて、ガッコ行って、蟻の様に群がるヒトに笑顔振りまいて、聞きもしない授業でて。
家に帰ると自室から出ずに、ひたすら時間から自分が遠ざかるのを待つ。
先の知れた物語。
展開がない、小説。
つまーんね。
全部、嫌だった。
それが、中3の春。
クラス替え。
俺(といっても女である)、弥詩は、何かとセンセーにお世話になる存在だった。
情緒不安定、家では暴力を受け、授業中は睡眠タイム。そのくせ、成績はいつも学年の五分の一の順位には入っている。
全く嫌な生徒だわ。
そのせいあってか仲がいい友達とは、一回も同じクラスになったことがない。
俺を快く思う保護者自体が多く無かったからだろうな、きっと。
今回も、例外じゃ無かった。
誰一人として気軽に話す事が出来ないであろう、一年間を見渡し、吐き気を催すほど気分が悪くなった。
孤独が嫌いなわけじゃない。
俺がこれほどまでにヒトに対して群れを求めるのは、訳がある。
小学校から中2までイジメがあった。
きっかけは些細なことで、
「弥詩はカラスを生で食った」
と言う噂が広まり、たちまち俺は普通の人間関係を取り上げられた。
それが、中学に上がっても続いてたんだ。
だから、周りにヒトがいれば怖くない。誰かと仲良くなれば、守ってくれる。
そういう思考に達したんだと思う。
クラスのメンバーはさほど悪く無かった。
あいさつをすればかえってくるし、さすがに中3とまでなれば、イジメも消えていた。
でも、対して仲がいいわけでもない人間の間を宛もなく往き来するのは、大きな不安を生んだ。と同時にめんどくさい、っていう感情にかわった。
めんどくさい。疲れる。
なんで俺を理解してない奴らと一緒にいなきゃいけない?
なんで笑ってなきゃいけない?
そう思う毎日だった。 続
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