プロローグ~闇の中~

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ここは見渡す限りの大草原。 少年、ニアは続ける。 「もう、二年間になるかな。こうして旅に出てから…」 ニアの暗い顔から何かを読み取ったのかムルクも悲しい目をしている。 「死んじゃったんだよね…父さんも母さんも、本当に。あぁ…『生きてる』って儚いね…。人ってのは辛いよ。想いを引きずっちゃうからね。」 そしてムルクに微笑む。 「ときどきキミが羨ましいよ、ムルク。賢いし、何よりたくましい…ボクもキミみたいになれたらいいのに」
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