プロローグ~闇の中~

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「あの頃は世界が薔薇色に見えたよ…全てが新鮮で、全てが輝いていた」 もう、戻らないのかな…とニアは遠くを見て呟く。 ムルクはそんなニアを慈愛のこもった瞳で見つめる。 ニアがこのような呟きを漏らすのはもう何度目だろうか。 かつて、幼いニアの瞳に映った美しい世界はもう彼の瞳には映らない。 荒涼とした、それこそ灰色のような世界にしか映らないのだ。
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