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今日は彩は篠崎という設計事務所を経営してる42歳のお客さんと同伴であった。
「篠崎さんごちそうさま!」
高級中華料理店から会計を済ませて出て来た篠崎に彩はお礼を言った。
「いや~彩ちゃんはいっぱい食べるね、見てて気持ちがいいよ」
「えっ、だって私、中華大好きで、こんなにおいしいとこ初めてで」
彩は照れながら言った。
「いや、いいんだよ、そんなに喜んでもらったら俺も嬉しいし、また美味しいとこいこうね」
「はい、ありがとうございます!」
篠崎は彩が入店して初めて指名をもらったお客さんであった、口説いてきたりもせず、週に2回は同伴もしてくれ、ノルマなどで困った時も、必ず助けてくれた。
見た目も特に腹も出てなく、髪もはげてなく、感じの良い紳士という感じであった。
「どうする?もうお店行く?」
篠崎は聞いてきた。
「まだ、時間早いし、ちょっと歩きません?」
「そうだね、食後の運動にもなるしね」
篠崎はやさしく笑って答えた。
嫌なお客さんなら時給も付くし、少しでも早く店に出勤したいのだが、篠崎は彩にとって良い人だったので、彩の中でのちょっとしたサービスであった。
歩いているとペットショップがあった。
「篠崎さん、ちょっと見て行っていいですか?」
「ああ、いいよ」
お店には小型犬を中心に様々な犬や猫が居た。
「可愛い~!」
彩は色々見た中の、珍しい色のイザベラカラーのチワワのロングを見て言った。
『320,000円』の値段が付いていた。
「ほんとだ、可愛いね」
篠崎が彩の後ろから答えた。
「ですよね、私、犬飼おうと思ってるんです」
「そうなんだ、でも結構大変だよ」
「そうですよね…ちゃんと考えます」
彩は笑顔で振り向き篠崎に言った。
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