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「やだやだやだぁっ
離してよぉっっ」
「や、やめて下さいっ
離して…」
少年二人は各々の反応を見せている。
「あの、片瀬くん」
不意に呼ばれ自分の思考回路が完全に飛んでいたことに気づくと慌てて連れ戻し話しかけてきた相手に意識をむける。
「なんでしょう、隊長さん」
「お願いがあるんだ」
「はぁ…お願いですか?」
俺、さっきこの人に制裁されかけたような…
「わ、わかってるよ!!
どうせ、制裁するつもりだったくせにとか思ってるんだろっっ」
「ちょ…
落ち着いて下さいよ」
「あ、ご、ごめん…」
なんというか
なかなか要領の悪い人だな
「それでお願いと言うのは?」
「あ、うん
あのね、これから隊員何人かと僕とで先生のとこへ行ってくる
それで、あの二人の子が危なくなったら助けて欲しいんだ」
「なぜ僕に?」
「今日来てる子達はケンカなんて縁のない子ばっかりなんだ
もちろん僕もね
でも片瀬くんは少なくともここの子達よりガタイはいいし…」
なんだろう
とてつもなくめんどくさい。
「わかりましたいいでしょう」
まぁ、仕事だしな…
「ありがとっっ
じゃあお願いするね…」
そう言い残すと親衛隊の何人かを引き連れて職員室への道へと進んでいった。
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